PEファンド

【外資系/日系】PEファンドの仕事内容・転職方法・年収まとめ(バイアウト)

PEファンドとは

PEファンドとはアセット・マネジメント業の1種であり、ファンドの出資者から預かった資金を投資することによって増やし、その投資のパフォーマンスに応じてフィーを受け取る業種である。出資者には年金基金や保険会社、超富裕層の個人などが含まれる。

アセット・マネジメント業界の中にはさまざまなファンドが存在し、その投資対象(=アセット・クラス)によって以下の表のように分類される。その中で未公開株式(=プライベート・エクイティ)に投資するファンドを「PEファンド」と呼ぶ。

ファンドの種類投資対象ファンドの例
PEファンド
(バイアウトファンド)
未公開株式KKR
ブラックストーン
カーライル
ベンチャーキャピタル(VC)ベンチャー企業の株式等セコイア・キャピタル
ジャフコ
Coral Capital
ヘッジファンド公開株式
公社債
為替等
ブリッジウォーター
ミレニアム
Point72
不動産ファンド不動産ブラックストーン
Prologis

未公開株式にはベンチャー企業の株式なども含まれるため、VCも広義のPEファンドと言えるが、業界で一般にPEファンドと見なされるのは、対象企業の株式の全てまたは大部分を買収する「バイアウト」と呼ばれる業態であり、このような狭義のPEファンドのことを「バイアウト・ファンド」と呼ぶこともある。

PEファンドの仕事内容

PEファンドの仕事は大きく言うと未公開株式への投資を通じてファンドの資金を運用することだが、日々の仕事内容は以下の4つのステップに分けられる。なお、実際には出資者から資金を集める「ファンド・レイズ」というステップがこの前に存在するがここでは割愛する。

ステップ内容
ソーシング投資案件の発掘のための営業活動
投資実行(エグゼキューション)対象企業のリサーチと投資条件の交渉
バリューアップ投資先企業の企業価値向上のサポート
売却(エグジット)対象企業の株式の売却(M&A・IPO)

ソーシング

PEファンドの仕事のプロセスは案件のソーシングから始まる。公開株式に投資するヘッジファンドなどとは異なり、対象企業を買収するPEファンドは相手がいないと投資することができない。

「あなたの会社を買収させてください」とお願いしに行くソーシングは難易度が非常に高く、PEファンドの業務の中でも最も付加価値の高い分野だとも言える。そのため、各ファンドは業界経験と人脈が豊富なシニアメンバーを登用し、ソーシングに多くの時間を使う。

投資実行(エグゼキューション)

ソーシングによって買収候補の企業が決まると次はエグゼキューションと呼ばれる具体的な投資条件の条件の交渉等が行われる。PEファンドは対象企業から開示された情報などをもとに企業の価値を考え、投資のリターンが出てかつ対象企業の経営陣や株主が納得のいくような条件を提示する。

対象企業のリサーチはデューデリジェンス(Due Diligence, DD)と呼ばれ、PEファンドの中堅・ジュニアメンバーが中心となって進める。大きな案件ではアドバイザーとして投資銀行やコンサルティング・ファーム、法律事務所、会計事務所などが参加し、短期間で大量の情報を処理して企業の成長可能性やリスク要素を洗い出す。

バリューアップ

上記のプロセスを経て無事投資が完了すると、次は投資先企業の企業価値を高めるためのサポートにあたる。PEファンドの一般的な投資期間は3~5年であり、その間に対象企業の利益やバランスシートを改善することで買った値段より高く売ることを目指す。

バリューアップの方法はファンドによって異なるが、比較的多くの人数を抱える日系ファンドはメンバーが対象会社先に常駐してハンズオンで様々なサポートをする一方、少人数で業務を回す外資系ファンドでは最低限のモニタリングのみを行い、実務はコンサルティング・ファームなどに外注するケースもある。

売却(エグジット)

最後のプロセスは株式の売却であり、その価格や条件によって投資の最終的なリターンが決まる。売却方法は大きく分けて2種類あり、M&Aを通じて他の企業に売却するパターンと、IPOを通じて市場で株式を売却するパターンがある。

M&AとIPOの選択は、案件のサイズやマーケットの状況、対象企業の経営陣の移行等を考慮して決められるが、基本的にはファンドの投資リターンを最大化する方法が選ばれる。

なお、上記のようなプロセスを経て最終的な投資のリターンがどう決まるかという点は下記のページを参考を参考にしてもらいたい。PEファンドのリターンの源泉となる「レバレッジ」「利益成長」「マルチプル増加」という3つの要素について具体的な数字をもとに解説している。

PEファンドの種類

PEファンド業界にはさまざまなファンドが存在するが、大きくは外資系と日系、そして投資案件の大きさの違いによって語られることが多い。そして、一般的な傾向としては外資系のファンドは大型・中型の案件が多く、日系のファンドは中型・小型の案件が多い。

外資系のPEファンドは本国拠点で集めた資金の運用先の一つとして日本拠点が位置付けられており、少ない人数で大きな案件を回し効率よく稼ぐことが求められる傾向にある。以下に代表的な外資系のPEと過去の投資先をまとめている。

PEファンド名主な投資案件
KKR日立工機
日立国際電気
カルソニックカンセイ
カーライルチムニー
ウイングアーク1st
オリオンビール
ブラックストーンあゆみ製薬(国内初案件)
ベインキャピタル東芝メモリ
すかいらーく
雪国まいたけ
ペルミラあきんどスシロー
ジョンマスターオーガニック
MBKパートナーズUSJ
ゴディバジャパン
アコーディアゴルフ
CVCタワーレコード
テクノプロ
信和
ベアリング武州製薬
ジョイフル本田
プリモ・ジャパン
CLSAベイカレント・コンサルティング
バロックジャパン
エバーライフ
ロングリーチ日本マクドナルド
安泰銀行
三洋電機ロジスティクス
ローンスター目黒雅叙園
後楽園ファイナンス
国際赤坂ビル

一方、日系のPEファンドは日本を中心に活動し、基本的には集めた資金を日本のみで投資して消化する必要があるため、比較的小規模な案件にも手を出す傾向にある。代表的な日系PEファンドと投資実績は以下の通り。

PEファンド名主な投資先
アドバンテッジパートナーズ東京スター銀行
コメダ
ウィルコム
ユニゾンキャピタルオリエント信販
カネボウ
共和薬品工業
インテグラルスカイマーク
キュービーネット
アデランス
ポラリス・キャピタルBAKE
楽天オーネット
ワークスアプリケーションズ
日本産業パートナーズVAIO
NECビックローブ
サンテレホン
丸の内キャピタルタカラトミー
成城石井
ジョイフル本田
J-StarWEGO
越後屋
三和サービス
エンデバーユナイテッド日本ピザハット
花菱縫製
東急建設

PEファンドへのキャリアパス

PEファンドの仕事は金融と経営の総合格闘技と呼ばれ、さまざまなスキルや経験を高いレベルで持ち合わせていることが求められる。そのため、新卒採用は原則として行わず、社会人経験を積んだ即戦力人材を採用する。

中でも以下の3つの業界からの採用が多く、それぞれPEファンドの業務を行う上で必要なスキルの一部を有していることが期待されている。他にも会計事務所やFAS、メガバンクなどから採用されるケースも存在するが、大手のPEファンドに限定すると以下の3業界出身者が採用数の9割以上を占める。

出身業界求められる役割・スキル
投資銀行(IBD)エグゼキューション全体
モデリング(LBO)
戦略コンサルティングビジネスDD(DDの中のビジネス部分)
バリューアップ
総合商社(事業投資)エグゼキューション
バリューアップ

上記の3業界の中でも、ファンドごとに採用の色は異なる。まず、外資系と日系の比較では、外資系のPEファンドの方が採用数が少なく待遇も高いため人気が高く、結果として外資系の投資銀行や戦略コンサルティング出身者が優先的に採用される傾向にある。

外資系の中でも採用スタンスには違いがあり、業界最古参のKKRの場合は原則として外資系の投資銀行の投資銀行部門(IBD)出身者のみから採用している。これは彼らのグローバル・ポリシーであり、日本拠点のアナリスト~プリンシパルの経歴を見てもそれは明らかだ。

タイトル
(イニシャル)
経歴
(一部抜粋)
アナリスト
(A.H.)
海外大学
マッコーリーキャピタル(株式調査・セールストレーディング)
アソシエイト
(H.M.)
東京大学経済学部
モルガン・スタンレー(投資銀行部門)
アソシエイト
(C.H.)
東京大学経済学部
JPモルガン(投資銀行部門)
アソシエイト
(K.C.)
慶應義塾大学経済学部
メリルリンチ(投資銀行部門)
プリンシパル
(T.M.)
東京大学大学院
ゴールドマン・サックス(投資銀行部門)
ベインキャピタル
ハーバードMBA
プリンシパル
(K.M.)
慶應義塾大学理工学部
東京大学大学院
ゴールドマン・サックス(戦略投資部)
プリンシパル
(T.O.)
東京大学経済学部
シティグループ(投資銀行部門)
ラザードフレール
CVCキャピタルパートナーズ
コロンビア大学MBA

一方、同じ外資系のベインキャピタルではコンサルティング・ファームからの採用が大半を占める。これもベインキャピタルのグローバルポリシーであり、彼らはMBB(Mckinsey・BCG・Bain&Company)のトップ3%から採用するという基本ポリシーを掲げている。ベインキャピタルの日本拠点のアソシエイトの経歴は以下の通り。

タイトル
(イニシャル)
経歴
(一部抜粋)
アソシエイト
(K.O.)
慶應義塾大学経済学部
みずほ証券(投資銀行部門)
ゴールドマン・サックス(投資銀行部門)
アソシエイト
(S.M.)
慶應義塾大学経済学部
JPモルガン(投資銀行部門)
アソシエイト
(S.K.)
海外大学経済学部
メリルリンチ(投資銀行部門)
ヨーク(香港・ヘッジファンド)
アソシエイト
(S.K.)
慶應義塾大学経済学部
野村證券(投資銀行部門)
アソシエイト
(H.K.)
海外大学経済学部
野村證券(投資銀行部門)
ハーバードMBA
アソシエイト
(W.A.)
東京大学法学部
西村あさひ法律事務所
みずほ証券(投資銀行部門・出向)
アソシエイト
(S.K.)
海外大学
マッキンゼー・アンド・カンパニー
アソシエイト
(T.K.)
東京大学工学部
ベイン・アンド・カンパニー
INSEAD MBA
アソシエイト
(Y.M.)
東京大学工学部
ベイン・アンド・カンパニー
ヘッジファンド(シンガポール)
アソシエイト
(K.Y.)
東京大学経済学部
三菱商事
BCG
アソシエイト
(H.Y.)
一橋大学商学部
日本オラクル
BCG
アソシエイトディレクター
(K.H.)
慶應義塾大学経済学部
A.T.カーニー
ヴァイスプレジデント
(S.H.)
東京大学経済学部
ドイツ証券(投資銀行部門)
ゴールドマン・サックス(投資銀行部門)
ケンブリッジMBA
ヴァイスプレジデント
(K.O.)
東京大学経済学部
UBS(株式資本市場部)
メリルリンチ(投資銀行部門)
ヴァイスプレジデント
(K.K.)
海外大学工学部
BCG
ヴァイスプレジデント
(J.T.)
(ポートフォリオグループ)
東京大学経済学部
経済産業省
マッキンゼー・アンド・カンパニー
ヴァイスプレジデント
(N.T.)
東京大学法学部
BCG
スタンフォードMBA
ヴァイスプレジデント
(H.H.)
東京大学工学部
BCG
ウォートンMBA
ヴァイスプレジデント
(H.T.)
一橋大学経済学部
M&Aブティック
モルガン・スタンレー(投資銀行部門)
ヴァイスプレジデント
(T.Y.)
名古屋大学大学院
ベイン・アンド・カンパニー
INSEAD MBA

日系PEファンドの例としてインテグラルのアソシエイトの経歴を以下にまとめているが、上記のKKRやベインキャピタルと比べて投資銀行部門(IBD)・戦略コンサルティング以外の出身者が目立つ。日系PEファンドの方が採用の門戸は広いと言えるだろう。

タイトル
(イニシャル)
経歴
(一部抜粋)
アソシエイト
(M.A.)
海外大学
シティグループ(投資銀行部門)
KPMG FAS
アソシエイト
(R.T.)
海外大学
デロイトトーマツコンサルティング
ラザード
アソシエイト
(Y.H.)
慶應義塾大学理工学部
アクセンチュア
アソシエイト
(M.N.)
東京大学大学院
みずほ証券(投資銀行部門)
MIT MBA
アソシエイト
(F.T.)
早稲田大学商学部
野村総合研究所
アソシエイト
(N.H.)
一橋大学
コーポレーションディレクション
BCG
アソシエイト
(Y.H.)
東京大学経済学部
金融庁
シカゴ大学MBA
アソシエイト
(D.I.)
東京大学経済学部
デロイトトーマツ(FA)
イエール大学MBA
アソシエイト
(Y.T.)
神戸大学経営学部
新日本監査法人
デロイトトーマツコンサルティング
アソシエイト
(T.S.)
早稲田大学理工学部
みずほ証券(投資銀行部門)
アソシエイト
(Y.Y.)
京都大学経済学部
GCA

PEファンドの役職と年収

PEファンドは投資銀行やコンサルティング・ファームと同様に5~6個の階級によって成り立つ。ディレクター以降のシニアメンバーは案件のソーシングや重要な交渉・意思決定を主な仕事とし、ジュニアメンバーはエグゼキューションにおけるモデリングやバリューアップの現場指揮などを担当する。

PEファンドの年収を考えるあたり無視できないのがPEファンド自体の収入源だ。PEファンドは以下の表のような2つの収入源を持つ。例として、1000億円を運用するファンドが5年間で80%のリターンを生んだとする。

マネジメント・フィーは運用額の2%で毎年20億円、これがメンバーのベース給や家賃等の固定費の支払いに充てられる。そして、パフォーマンス・フィーはリターン(800億円)の20%で160億円、1年あたり32億円となる。これは主にキャリー(Carried Interest)と呼ばれるボーナスに充てられる。

ファンドの収入計算方法使途
マネジメント・フィー運用額の約2%ベースサラリー
その他固定費等
パフォーマンス・フィーファンドのリターンの約20%キャリー
その他ボーナス等

上記の計算から分かるように、PEファンドの年収はボーナスありきだ。ベース給は一般的に外資系の投資銀行より低く、高いリターンを出したときに大きなボーナスが得られるように設計されている。

メンバー間でのキャリーの配分はファンドによって異なるが、一般論としてはファンドの創業メンバーや案件を獲得したシニアメンバーや大分部を取り、置き換えな可能なジュニアメンバーの取り分は小さい。自分の関わった案件に紐づくかファンド全体で均等に分けるかなどは個別のファンドによってルールが異なる。

Wall Street

PEファンドの年収は一般にはあまり公開されていない。また、ファンドや個人によって異なるため正確な数字をはじき出すことは難しい。以下には、アメリカのPEファンド業界の平均給料を日本円に換算したデータを載せている。一つの参考にしてもらいたい。

タイトル基本給キャリー
(ボーナス)
トータルコンプ
アナリスト940万円940万円
アソシエイト1160万円490万円1650万円
シニア・アソシエイト1380万円710万円2090万円
ディレクター
プリンシパル
2960万円5940万円8900万円
マネージングディレクター
パートナー
4570万円1億3020万円1億7590万円
Source: Preqin

また、2020年3月のBloombergの報道(KKR’s $277,500 Median Employee Salary Tops in Private Equity Pay)によると、グローバルに展開する大手PEファンドのメンバーの給料の中央値は以下の表の額だとされている。

PEファンド年収(中央値)日本円換算
KKR$ 277,5003025万円
ブラックストーン$ 215,0002344万円
カーライル$ 210,7742297万円
アポロ$ 216,6952362万円
Source: Bloomberg

PEファンドの求人情報

国内大手PEファンド

対象企業国内大手プライベート・エクイティ・ファンド
年収1000-1800万円
ポジション投資チーム
勤務地東京都
担当エージェント:ケンブリッジ・リサーチ/掲載元:Liiga

仕事内容:
投資プロフェッショナルとしてソーシングからEXITまの業務をアソシエイトから関わります。新しいファンドも組成され、若手人材を複数名採用する必要があり、今回の採用となっております。

必要なスキル・経験:
以下1つ以上にあてはまる方となります
●プライベート・エクイティ・ファンドか投資銀行での投資、M&Aアドバイザリー等の経験
●総合商社など事業会社でM&Aや投資経験
●コンサルティングファーム(戦略・DX等)での経験があり、ファイナンスの知見をお持ちの方

選考プロセス:
パートナー、ディレクタークラスとの複数回の面接とモデリング試験(最終前)

国内系独立PEファンドのアソシエイト

対象企業国内系独立PEファンド
タイトルアソシエイト
年収600-800万円程度+ボーナス
掲載元:Liiga

年齢:20代(年齢ではないものの、アラサー位からはVPになる為)

年収:600~800万程度(+別途ベース年収の1.5か月分程度までの賞与とファンドキャリーによるインセンティブの支給)
現収・経験考慮の上、決定

業務内容:
投資発掘、投資検討、投資先ハンズオン、EXIT等投資に関する業務を一貫して担っていただきます。中小企業オーナーと上手に、ときには利害が相反する中でコミュニケーションを取りながら時にやや複雑な業務をすすめる必要があるので、コミュニケーション能力が高いチームプレーヤー型の方が前提です。2年以上一社に留まった過去が有る方が望ましいです。

仕事の魅力:
独立系バイアウトファンドの為、裁量も非常に大きく、未経験でもOJTを通してファンドマネージャーへのキャリアが可能です。キャリーボーナスも業界平均を大きく上回る金額を支給しているので、業績次第で数千万以上が想定される。

必要なスキル・経験:
1. 性格 :チームプレイヤー
2. コミニュケーション能力:場合によって社長と利益が相反するプロジェクト推進も有る為

歓迎条件:
1. バックグラウンド :会計士+α(FAS)
2. バックグラウンド :できれば(戦略系)コンサル(提案が必要な案件の増加に伴い)
3. バックグラウンド :できれば理系出身者(多様性確保の為。技術系のオーナー対応)
4. バックグラウンド :できれば体育会系(素直でガッツが有る方)